管工事におけるポンプ

ポンプは、「水や液体を高い場所・遠い場所・高圧で送りたいとき」や、「重力では流れない排水を強制的に移動させたいとき」に使用されます。
1. 建物の給水(上水)におけるポンプの使用
【1】高い場所へ水を送るとき
- マンションやビルの高層階に水を供給する場合
- 地上の水道本管の圧力だけでは高層階まで十分な水圧が得られないため、受水槽からポンプで高置水槽や各階へ送水します。
- 「加圧ポンプ」「ブースターポンプ」と呼ばれることも。
【2】直結増圧給水方式
- 近年は受水槽を設けず、水道本管と直結しポンプで増圧して各戸や各階に供給する方式も増えています。
- 節水・衛生面でも注目されています。
2. 排水・汚水処理におけるポンプ
【3】排水を下水道や処理場へ送るとき
- 地下や低層にあるトイレ・厨房などは、自然流下では排水が外部に出せないため、排水ポンプで強制的に上げて排水管や下水道に送ります。
【4】浄化槽・汚水槽の排出
- 浄化槽や集合住宅の汚水ピットに溜まった水をポンプで定期的に排出します。
3. 消防・災害対策用途
【5】消火設備の水圧確保
- スプリンクラーや消火栓などは、消防用ポンプで高圧の水を確保・噴射します。
4. 冷暖房・産業用システム
【6】空調設備(冷温水循環)・ボイラー循環
- ビル空調などの冷温水を循環させるためのポンプが必須です。
- 冷却塔への送水なども同様です。
5. 雨水・湧水・地下水の処理
【7】雨水排水・地下水汲み上げ
- 大雨時の地下浸水対策やピット内の雨水・湧水を排出するためにポンプを設置します。
- 一部施設では、雨水貯水槽の水を庭やトイレに再利用するためのポンプも使われます。
まとめ
ポンプは、「水や液体を高い場所・遠い場所・高圧で送りたいとき」や、「重力では流れない排水を強制的に移動させたいとき」に使用されます。
管工事や建築設備では、給水、排水、消火、空調、雨水処理など多岐にわたり、現代建築に欠かせない設備機器となっています。